一万円札の増刷から見るタンス預金の需要とその可笑しさ
マイナス金利政策やマイナンバーの実施を受けて預金を銀行に預けるのではなくて、タンス預金する人が増えているというお話。
財務省は2016年度の通貨の製造計画をまとめた。一万円札は12億3千万枚と前年度比17%増やす。増刷は8年ぶり。訪日外国人が買い物で現金を多く使っていることに加え、マイナス金利などの影響で手元にいったん現金を持つ消費者が増えている点を考慮した。 一万円札は15年度より1億8千万枚増やし、09年以来の水準となる。過去5年間は10億5千万枚で据え置いていた。 増刷の背景には、訪日外国人旅行客の増加が影響している。旺盛な買い物意欲を持つ中国人旅行者などは事前に買い物の予算を見積もる傾向がある。あらかじめ外貨両替などで日本円の現金を用意して、旅行中の出費状況を把握しているもようだ。 ほかに税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制の導入で、資産を詳細に把握されることに不安を感じる一部の高齢者や富裕層がタンス預金を増やしているとされる。
(日経MJ 2016/04/10)
一万円札の需要が増えて増刷に動くというお話ですが、その理由がマイナス金利とマイナンバーだということです。税務署に自分のお金の動きを知られたくないという脱税するつもり満々の人もいれば、意味もなくマイナス金利だからといって金庫を買っている人も多いようです。
「実は危険?タンス預金をするメリット、デメリットのまとめ」でも書かれていますが、金利が低いからといってタンス預金をするコストを考えると逆効果です。
実際に金庫が売れているという話ですが、その金庫を買うお金とこれまでの金利を考えても絶対にペイするはずないです。防犯コストの上昇も負うことになります。
マイナンバーでの預金補足を嫌うといっても、過去だって税務署はその気になれば銀行預金は追えたわけです。そうしたことを気にするくらい金融資産が多い人が今更何かしたって……という気がします。
いずれにしても、ニュースに踊らされないようにしたいですね。