住宅ローンの審査や限度額はやっぱり属性次第なんだけど社長(役員)の信用度は低いという話
住宅ローンの借入枠や借入金利についての審査が可能なスコアリングサービスを、住宅情報サービス大手のHOMESがリリースしています。
市況かぶ全力二階建てさんで取り上げられていたので知りました
こちらでは、「モゲスコア」とよいばれる住宅ローン借り入れに関する信用スコアが算出されています。
ちなみに、信用力をスコア化するというのは、融資の現場ではごく一般的です。
クレジットカードやローンの利用状況なども実はスコアリングされており、クレジットカードの審査などでは当たり前に利用されています。
上記のような感じで、クレヒスと呼ばれています。
住宅ローンの借入額・金利のスコアリングサービス
下は、色々と属性を変えてシミュレーションした結果です。
これで色々やってみた結果なんですけど、購入可能資金や金利やらに影響したことを少しまとめていきたいと思います。
色々やってみたのですが、おもしろかったのは「就業・雇用形態(役職)」に関するところです。少し意外な結果がでたので、まとめてみたいと思います。
1)役員よりは部課長の方がいい
部長(課長)の方が役員よりもモゲスコアが高い。ってかなり差がありますね。適用金利まで下がってます。
2)中小企業でも同様の傾向
下は同じ条件で勤務先を東証一部から中小(10名以下)に変更した時のスコアです。
差は少し小さくなったような気がしますが、中小企業でも役員よりは部課長の方が信用力は高いってことになるんですね。
また、上の画像から言えるのは、大手と中小との間では超えられない壁があるってことになります。
意外と社長は信用されないの?
他の条件は全部一緒で役職と勤務先を変更してみただけなんですが、このスコアの違いをどう見るべきかは面白い視点だと思います。役員が信用されない理由は何なのでしょうか?
1)大企業のケース
上の画像は東証一部のケースです。役員というのは正社員とちがって雇用されているわけではないです。そのため、雇用の身分としてはやや不安定になります。もちろん、何十年も君臨するような役員の方もいらっしゃいますが、結果が出せないとポイというケースも。
雇用者ではなく、株主に経営を委託されている人ですからしょうがないという部分もあります。だから大企業でもスコアが低くなっているのでしょうか?
2)中小企業のケース
中小企業のケースは所有と経営の分離に至っていないケースが多く、クビにされるというリスクは高くないです。同じ規模の会社の部長や課長と比べたら安定性は高いでしょう。
一方で、中小企業のケースは倒産のリスクが高いと判断されるのでしょうか。中小企業の社長などは会社と一蓮托生です。多くのケースで会社の債務(借金)に対しては個人保証が要求されることになるため、倒産=自己破産となるケースも少なくありません。
いくら年収が高くても、預金残高があったとしても、会社に万が一があればそれは借金のカタとなる可能性があるため、リスクがあると言えるのでしょう。
一方で部長や課長であれば、倒産したとしても自分自身の財産を失うことはないので預貯金は維持できますし、転職すればいいだけです。
実はこれは常識?
私はあまり知らなかったのですが、これって実は常識っぽいですね。
どちらもフラット35を押していますが、内容をかいつまんでまとめると、自営業や経営者にとっては銀行の住宅ローンは審査上で厳しいので、与信の対象が物件中心のフラット35の方が借りやすいですよというお話になっています。
ちなみに、フラット35というのは、銀行と住宅支援公庫が共同で運用している住宅ローンで、長期固定金利がウリの半官半民的な住宅ローンです。
こちらからは以上です。