投資におけるよい借金、悪い借金とは?
投資というと自己資金(余裕資金)で行うものという感覚が一般的かと思いますが、投資の中には借金をして(資金調達をして)そのお金を使って投資をするという投資もあります。
代表的なものとしては不動産投資や株式の信用取引などがあります。そのように、他所からお金を引っ張ってきて、それで投資をする場合の良い借金、悪い借金について考えてみたいと思います。
借金をする投資はリターンの絶対額を大きくできる
借金をするということは、その対価としての金利を支払うことになります。一方で、借金をして投資金額を膨らませることができれば投資から得られる収益性を大きく拡大することができます。
いわゆるレバレッジ投資ですね。
たとえば、利回り5%の運用があり、金利コストが2%だとしましょう。
100万円(自己資金)で投資
100万円×5%=5万円
100万円(自己資金)+400万円(借入)で投資
100万円×5%+400万円×(5%-2%)=5万円+12万円=17万円
となるわけです。
利回り>借入金利なら良い投資
以上からわかるとおり、調達金利を上回るリターンが得られるのであれば、投資としては成功になります。利回り自体は低下しますが、受け取れる絶対額は大きくなります。
そういった意味で、借金をして投資をするほうがネット(全体)のリターンを大きくすることができるわけです。
利回り<借入金利となれば地獄
一方で資産運用、投資の世界において確定利回りの運用商品は少ないです。
たとえば、不動産投資なら「家賃引き下げ」「空室率の上昇」などによって利回りが下落する可能性があります。
また、市場金利が上昇することで、借入金利が上昇するリスクもあります。
そうなるってしまうと地獄ですね。レバレッジ投資が逆回転をし始めるわけです。前述のケースで利回りが3%に低下し、借入金利が4%に上昇したとします。
100万円(自己資金)で投資
100万円×3%=3万円
100万円(自己資金)+400万円(借入)で投資
100万円×3%+400万円×(3%-4%)=3万円-4万円=▲1万円
というように、運用を続けるほど損失が発生するような状況になるわけです。
借金をして投資をするのは否定はしないけど、バッファが必要
借金をして投資をすること自体を否定するわけではありません。
ただし、利回り低下、金利上昇のリスクを抱えているということを忘れてはいけません。
運用が失敗したときに、借金があると「撤退」がしにくくなります。リスクを分析してある程度のマイナスになっても撤退の判断ができる程度の余裕は必要だと思います。